本曲輪堀切と善福寺曲輪より15世紀から16世紀に焼造された以下に示す中国陶磁器の破片が出土しています。
1 青 磁 (碗、小皿)
・釉薬が黄色で口縁外側に雷文が退化した線刻文がある龍泉窯産の碗。
・釉薬が黄色の同安窯産の小皿の底部
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生焼けで内面見込みにスタンプ模様がある碗の高台部。
生焼けで内面見込みにスタンプ模様がある碗の高台部
2 白 磁 (小杯、小皿)
・釉薬が白濁から気味を帯びる小杯と小皿がある。
・釉薬に鉄分が少し入り青みを帯びたもので高台内部が露体になっている16世紀初期の地方窯産。
・小杯は、内面底部に重ね焼きのための輪ハゲがある16世紀初期の地方窯産。
3 染 付 (輪花大鉢、碗、小皿)
・口径30cm以上に及ぶわが国では出土類例のない景徳鎮窯産の玉取獅子文皿(官窯で正徳(1506年)から喜靖年間に焼造された輪花大皿)がある。そして、現在確認できる範囲でこの大皿と酷似したもの(高台内部の二重円圏に萬福攸同の銘文がある官窯焼造品)がイランのバスタン博物館に所蔵されている。
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高台内部の二重円圏に宣徳年造の年款と天下太平の銘文がある16世紀の景徳鎮窯産の小皿がある。
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天下太平の銘文がある16世紀の景徳鎮窯産の小皿
・底部が削り込み高台で外面に芭蕉文が回るもの。
・高台畳み付け部分が、海の波などによって削りとられ丸みを帯び(50年それ以上の年月が必要)透明釉が剥がれコバルトが露出している唐草文のある小皿。そしてこの事から、蒲原湊(河口湊)に寄港した船より割れた染付が波打ち際に捨てられ波に洗われたの物が、永禄12年前後に蒲原城本曲輪に運ばれ何らかの理由で堀切に投棄されたことがわかる。
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高台部が海の波などによって削りとられ丸みを帯びている

透明釉が剥がれコバルトが露出している唐草文のある小皿
4 無釉陶器 (小壺)
・鉄分の多い土で焼きあがると黒灰色を呈する小壺で轆轤による薄い水挽き成形がされている福建省等のサウスチャイナ窯産。